火山の爆発でできた十和田湖
一日目は 奥入瀬渓谷沿いのホテルに宿泊
そこでネイチャーガイドの方から奥入瀬渓谷の成り立ちとその見所についてのお話を聞くことができました。
渓流沿いに眼を見張るような
大きな岩がゴロゴロとあるのはそういうことだったのかと。
=森の学校=
奥入瀬渓流ホテルにて
ネイチャーガイド 川村祐一氏
こうみると おもしろい!「奥入瀬渓流の自然」
今から100万年前に八甲田山の噴火が始まり
最大の噴火は約76万年前
八甲田火山により火砕流大地となりました
その後
十和田火山が噴火を始めます
破局的噴火を繰り返し、十和田湖の原型となるカルデラ地形ができたのです
そこへ雪解け水が溜まり、
約15,000年前外輪山の一部が決壊、
大洪水が深い渓谷を作りました
それから…始まった小さな小さな植物たちの
〝繊細〝な いとなみが
小さな自然が大きな自然を作っていく事に…
何もない岩の上には、木や草花は育ちにくいのです
岩の上に苔が生育する事で
それをマットにして他の植物が育つことができたのでした
コケは胞子で増える植物です
胞子は水の上に落ちて、はじめて子孫を増やしていけるのですが、
奥入瀬渓流には水の豊富な環境が初めからありました
十和田湖の決壊によってできた岩だらけの谷は
その水環境の豊かさで育まれた苔によって
多様な植物が育つ奥入瀬渓流へと変わっていったのです
水が自分に向かってくる光景、渓流の迫力を感じられる
☆コケは水分や養分を吸収するための根を持たない
☆仮根は体を岩などに固定するための機能
☆水分や養分は主に葉や茎から吸収する
→だからコケは養分の少ない岩の上でも生育できる
コケの先祖は水の中にいる藻の仲間だったから根っこから養分を吸わないんですが…
奥入瀬渓流で見ることができる木製シダの子孫→トクサ(研ぐ草)
コケ植物からシダ植物へ、そして樹木、花へ…
奥入瀬渓流の歩き方→②
立ち止まって見るから見えてくる!
立ち止まって、足元の小さな植物達に目を向けてみよう
そこに広がる命の始まりの世界
お話を聞いたラウンジには、岡本太郎作の暖炉があり、その煙突はオブジェになっていました。
人智を超えた自然の威力の前に、人間はなんと小さなものだろう。
水と命、そんなことを感じながら、ふとそこにあった本棚の中に見つけた本がありました。
縄文語の星地名の場所は震災の被害が無かった場所と重なるという
繰り返す災害の中で得た遠い時代からの知恵を
メッセージを私たちは見失ってしまった。
辿れなくなってしまった祖先からのメッセージをもう一度手繰り寄せる事が出来るのだろうか…
足ばやに通り過ぎた旅の日々ではあったけれども
実際に肌で感じた東北の地は、
特に真ん中から東側の地域は、
圧倒的な水と岩でできた命の根源のような自然がむき出しになって、ただ、ただ、あった。
過酷な自然に寄り添って暮らしてきた寡黙な人々の暮らしぶりに
すーっと自分の感情が馴染んで行くのが感じられたのでした。
太古の昔、ここへやってきた星を見る人たちはなんと感じたのだろう…
まるで故郷とは違うこの過酷な大地で何を乗り越えて命を繋いできたのか
そう、星を見る人たちも、蝦夷も、
元ははるかな故郷を後にこの地へやってきた人々だったと思っているのです…